【開催概要】
日 時:2024年10月23日(水)14:00~
開催方法:オンライン開催(Zoom)※事前登録制
参加料:無料
主 催:日刊工業新聞社・モノづくり日本会議
企画協力:ファインバブル産業会
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_VLcfEZM2TDuHi6o0D8BU_w#/registration
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【プログラム】
14:00-15:00 基調講演
ウルトラファインバブルはどこまで分かったか?
安定化機構、表面張力低下、ラジカル生成
<概要>
ウルトラファインバブル(UFB)は、直径1ミクロン以下の微細気泡のことで、シャワーヘッド、洗濯機、トイレ洗浄から水耕栽培、生簀(いけす)や養殖などの漁業に至るまで、応用が進んでいますが、基礎的なメカニズムについて、どこまで分かってきたかを解説します。
具体的には、UFBがなぜ溶解消滅せずに数ケ月も安定に存在できるのか、UFB水で観測された約10%の表面張力低下の原因は何か、そして、UFB水から検出される強力な酸化剤であるOHラジカルの発生メカニズムは何か、という問題です。ここで、水中の不純物や、UFBを発生させる際のキャビテーションが重要な役割を果たすことがあります(キャビテーションについても解説します)。
UFBを知らない方には入門として、UFBを使っておられる方には理解の助けとして、UFBの基礎・応用研究をされる方にはヒントになることを目指します。
<講師>
国立研究開発法人産業技術総合研究所 主任研究員
安井 久一 氏
<プロフィール>
1996年早稲田大学大学院博士課程修了。博士(理学)。早稲田大学理工学部物理学科助手等を経て、1999年工業技術院名古屋工業技術研究所(現 産総研中部センター)に入所し、超音波キャビテーション、ウルトラファインバブル、セラミックス等の数値シミュレーションに取り組んできた。2018~2020年に、Ultrasonics Sonochemistry誌のエディターを務めた。
15:00-15:30 企業講演①
ファインバブルクーラントを用いた加工改善
200ユーザーの加工評価事例を紹介
<概要>
研削加工の分野において、砥石の目づまり、工作物のソリ、クーラントの悪臭が問題となっており、これらの問題に対してファインバブルを含ませたクーラントを適用する事例が増えています。
研削加工には平面研削加工・円筒研削加工など複数の種類があり、また工作物も焼入鋼やセラミックなど複数あります。ファインバブルを含ませたクーラントにより得られる効果は、これらの組み合わせにより影響を受け、内容、度合いはそれぞれ異なります。本稿では研削加工にファインバブルを含ませたクーラントを用いる際に得られる効果について、ユーザーが実際に使用した事例を元に、以下の事項を取り上げます。
・工作機械用ファインバブル生成器の変遷
・生成方式の違いによるファインバブル生成器の特徴比較
・ファインバブルクーラントに期待される効果
・200ユーザーが実際に使用したファインバブルクーラントの効果の割合
<講師>
日本タングステン株式会社
機械部品事業本部 事業推進部 加工技術Gr 副主幹
渡辺 剛 氏
<プロフィール>
2006年広島大学工学部卒。同年日本タングステン株式会社に入社し、レンズモールドの研削加工ならびに測定の技術に携わる。2014年から2015年には、加工技術を海外関連工場へ移転する業務に従事。帰国後、研削用ファインバブルクーラントの研究にも従事。入社以来一貫して超硬合金の研削加工や測定等の技術開発に携わる。
15:30-16:00 企業講演②
産業洗浄におけるウルトラファインバブルの最新活用状況
<概要>
ウルトラファインバブル(UFB)発生装置メーカーが産業洗浄応用の最前線をご紹介します。
UFBとは、水と空気から構成される微細気泡であり、この微細気泡を含むUFB水は、通常の水とは異なる特異な性質を有しています。UFB水の応用先として、シャワーヘッドなどの民生用としての認知度が高まっていますが、昨今は産業用においても多岐にわたる分野での活用が急速に進んでいる状況です。
また、現代社会における必須命題であるSDGs、カーボンニュートラルの達成手段として非常に相性のよい技術で、世界的にも大きく期待されています。
このような中、当社ではUFB発生装置の開発を15年以上続けており、電源やガス供給が不要で、水を一度通すだけで簡単にUFBを発生可能な「シバタエンジン」を製品化し、産業応用に長く携わってきております。
本講演では、当社での事例が特に多い「産業洗浄応用」に関して、食品工場をモデルケースとして幅広く紹介を行い、皆様のUFB活用のヒントになるようなお話をいたします。
【ご紹介内容】
1)UFBの基礎特性
2)UFBの業界動向 (産業洗浄におけるSDGs事例)
3)シバタエンジンの産業洗浄 応用事例
(モデルケース:食品工場 / 食材、布製品、調理器具、設備などの洗浄)
<講師>
株式会社シバタ ファインバブル事業部 部長
鈴木 大樹
<プロフィール>
山形大学大学院 理工学研究科にて金属ナノ粒子を研究、2016年に修了。その後、日系化学メーカーで、機能性材料の研究開発に携わった後、外資系家電メーカーにて、センシング技術やファインバブル技術の研究開発やオープンイノベーションに従事。2021年に株式会社シバタに入社し、ウルトラファインバブル発生装置「シバタエンジン」を用いた研究機関との共同研究や、様々な企業との協業を手掛けている。
16:00-16:15 質疑応答